最も映画化されてはいけない小説。
『ノルウェイの森』
存在は知っていたものの、
実際に読んだのは20代初め。
読み終わった後のことは、
今でも忘れない・・・。
約2週間、あの世界から抜け出すことができずに、
ご飯を食べていても、
バイトをしていても、
電車に乗っていても、
ずっとワタナベ君のことを考えて、
本気でドキドキしながら、
あの世界に共鳴できた自分の感情と感覚に、
自身で驚き、
繊細な、脆い、危うく、
でもそれはとても眩しくて・・・。
それまでの私は、
(村上春樹の世界を知る前)
モノゴトの過程と結果、
正解と不正解、
白じゃなければ黒、
右じゃなければ左、
道徳と不道徳・・・など、
ものすごく単純なな世界で生きていて、
人々それぞれの心のかたちや、
曖昧な部分、
正解や答えのないコト、
白でも黒でもなくグレー、
ズルさ、
そして、弱さ・・・に、
気付かずにいた。
見てみないふりをしていただけかも。
孤独になることを恐れて、
人の意見に従ってみたり、
器用に振る舞ってみたり。
でも、
『ノルウェイの森』を読み終わった時に感じた
救われた・・・という気持ち。
それからは、
生涯、私のベストワンであり、
大切に大切に繰り返し読み返して、
その年々で感じる視点の違いに驚いたり、
登場人物の個性を再発見してみたり、
と私のバイブルと言っても過言ではない小説。
映画化の話しは前から知っていたものの、
あえて、
キャストに関しては想像しないようにしていた。
この小説に限っては、
読んだ人それぞれのイメージが鮮明にあって、
それぞれの『ノルウェイの森』ワールドが、
それぞれの人の心にあると信じているから。
でも、
かと言って、
映画化絶対反対!!とは言わなく、
というのも、
監督自身も、この小説の大ファンの1人であって、
彼の映画の素晴らしさも知っているから。
興味はあった。
それにしても、ものすごいプレッシャーだろうなあ。
世界レベルのベストセラーだもの。
ワタナベ君・・・マツケン。
直子・・・菊池凛子。
緑・・・コリアン&アメリカンハーフのモデルの子。
キズキ・・・『蛇にピアス』の男の子。
レイ子・・・霧島れいか。
ワタナベ君は、
私の中に揺らがないイメージがあるので、
誰がやっても一緒なのだけど、
直子と菊池凛子があまり結びつかず、
でも、良い意味で期待を裏切ってくれそうな女優さんなので楽しみ。
他の人は、
良く知らない。
一番、取り返しがつかないと思わされたのが、
永沢役の玉山鉄二・・・。
この人が出ると、
映画が一気に安っぽくなってはしまわないでしょうか?
でもまあ、
とにかく、
映画化されるらしく・・・。
完成品を見るか見ないかは、
また別の話し。
まあ、
見ちゃうんだろうなあ。
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