May 15, 2009

Norwegian Wood

最も映画化されてはいけない小説。
『ノルウェイの森』
存在は知っていたものの、
実際に読んだのは20代初め。
読み終わった後のことは、
今でも忘れない・・・。
約2週間、あの世界から抜け出すことができずに、
ご飯を食べていても、
バイトをしていても、
電車に乗っていても、
ずっとワタナベ君のことを考えて、
本気でドキドキしながら、
あの世界に共鳴できた自分の感情と感覚に、
自身で驚き、
繊細な、脆い、危うく、
でもそれはとても眩しくて・・・。
それまでの私は、
(村上春樹の世界を知る前)
モノゴトの過程と結果、
正解と不正解、
白じゃなければ黒、
右じゃなければ左、
道徳と不道徳・・・など、
ものすごく単純なな世界で生きていて、
人々それぞれの心のかたちや、
曖昧な部分、
正解や答えのないコト、
白でも黒でもなくグレー、
ズルさ、
そして、弱さ・・・に、
気付かずにいた。
見てみないふりをしていただけかも。
孤独になることを恐れて、
人の意見に従ってみたり、
器用に振る舞ってみたり。
でも、
『ノルウェイの森』を読み終わった時に感じた
救われた・・・という気持ち。
それからは、
生涯、私のベストワンであり、
大切に大切に繰り返し読み返して、
その年々で感じる視点の違いに驚いたり、
登場人物の個性を再発見してみたり、
と私のバイブルと言っても過言ではない小説。
映画化の話しは前から知っていたものの、
あえて、
キャストに関しては想像しないようにしていた。
この小説に限っては、
読んだ人それぞれのイメージが鮮明にあって、
それぞれの『ノルウェイの森』ワールドが、
それぞれの人の心にあると信じているから。
でも、
かと言って、
映画化絶対反対!!とは言わなく、
というのも、
監督自身も、この小説の大ファンの1人であって、
彼の映画の素晴らしさも知っているから。
興味はあった。
それにしても、ものすごいプレッシャーだろうなあ。
世界レベルのベストセラーだもの。
ワタナベ君・・・マツケン。
直子・・・菊池凛子。
緑・・・コリアン&アメリカンハーフのモデルの子。
キズキ・・・『蛇にピアス』の男の子。
レイ子・・・霧島れいか。
ワタナベ君は、
私の中に揺らがないイメージがあるので、
誰がやっても一緒なのだけど、
直子と菊池凛子があまり結びつかず、
でも、良い意味で期待を裏切ってくれそうな女優さんなので楽しみ。
他の人は、
良く知らない。
一番、取り返しがつかないと思わされたのが、
永沢役の玉山鉄二・・・。
この人が出ると、
映画が一気に安っぽくなってはしまわないでしょうか?
でもまあ、
とにかく、
映画化されるらしく・・・。
完成品を見るか見ないかは、
また別の話し。
まあ、
見ちゃうんだろうなあ。

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